EFS(Elastic File System)とは、複数のEC2インスタンスからアクセス可能な共有ストレージのことです。NASに似たファイルストレージで、ファイルシステムとして利用し、複数のEC2インスタンスでの共有アクセスが可能です。
目次
EFSの特徴
シンプルでスケーラブルで柔軟に利用できるファイルストレージであること
シンプル
- フルマネージド型サービス
- ネットワークファイルシステムバージョン4(NFSv4)プロトコルを利用して、関連ツールや標準プロトコル/APIでアクセス可能
- ネットワークファイル
スケーラブル
- ペタバイトまでスケーラブルにデータを蓄積
- スループット/IOPS性能は自動的にスケーリングし、低レイテンシーを維持
柔軟性
- ファイルの減少に合わせて自動で拡張・縮小
- 事前に容量を設定する必要なし
- 使った分だけの従量課金
EFSの基本性能
何千もの同時アクセスが実現可能という性能が特徴
基本性能
- 基本性能は100MB(バースト込み)
- ファイル名は255バイト
- 1ファイルの最大容量48TB
- インスタンスあたり128ユーザまでの同時オープンが可能
- 何千もの同時アクセスが実現可能
制限
- アカウントあたりのファイルシステム数:1000
- AZごとのファイルシステムあたりのマウントターゲット:1
- ファイルシステムあたりのタグ:50
- マウントターゲットあたりのセキュリティグループ:5
- ファイルシステムあたりのVPC数:1
- 各VPCのマウントターゲットの数:400
EFSのデータ保存
EFSのデータファイルは複数AZに分散して保存されている
EFSの設定
ファイルシステムを作成
接続先のマウントターゲットを作成
セキュリティグループの作成
パフォーマンスモードの選択
汎用モードと最大I/Oモードからの選択。基本は汎用モード
汎用モード
- 一般的な用途を想定したモード
- デフォルトでは汎用モードとなり、推奨されている
- レイテンシーが最も低い
- 1秒あたりのファイルシステム操作を7000に制限
最大I/Oモード
- 何+〜何千というクライアントからの同時アクセスが必要な大規模な構築に利用
- 合計スループットを優先してスケールする
- レイテンシーが多少長くなる
バースト機能
ファイルストレージの負荷に対してバースト機能によってスケーラブルに対応
EFSはバースト機能により性能を一時的に向上されることが可能
バースト
一時的な大量トラフィックの発生やそれに伴いサーバなどの処理性能が一時的に向上する
バーストスループットモード
ファイルシステムが大きくなるに従ってAmazon EFSによってスループットが拡張
クレジットシステム
クレジットシステムによりファイルシステムがバーストできる時期を判断する。各ファイルシステムは、時間の経過とともにクレジットを蓄積していき、データを読み書きするたびにクレジットを使用する。
EFSクライアント
EFSをEC2インスタンスから操作する際に専用のクライアントソフトウェアを利用する
- Amazon-efs-utilsに含まれるEFSマウントヘルパー
- Linux NFSv4クライアント
EFSのユースケース
複数EC2インスタンスでデータ共有する際はEFSをファーストチョイスする
利用方針
- EBSではできない複数インスタンスからの同時アクセスが必要
- 数秒単位でのデータ追記が必要
- フルマネージドで運用して簡易に利用して行きたい
利用シーン
- アプリケーションの共有ディレクトリとして利用
- ビックデータなどの分散並列処理環境における共有データアクセスストレージとして利用
- コンテンツの共有リポジトリとして利用
3つのファイルストレージ
EFS以外におユースケースに応じてFSxタイプのファイルストレージが2タイプ利用可能
EFS
- NASに似たファイルストレージ
- ファイルシステムとして利用し、複数のEC2インスタンスでの共有アクセスが可能
- S3と異なりインターネットから直接アクセスできない
Amazon FSx Windows File Server
- Windows File Serverと互換性のあるストレージ
- Windows上に構築され、WindowsAD,OSやソフトウェアとの連携が豊富に可能
- Windows File ServerをAWSクラウド上で利用したい場合に利用するストレージ
Amazon FSx For Lustre
- 分散型ファイルストレージであるオープンソースLusterと互換性のある分散型の高速ストレージ
- 機械学習などの高速コンピューティングのデータレイヤーに利用する一時保存用の処理用ストレージ
- 高速コンピューティング処理を実現する分散並列処理専用の超高性能ストレージを提供
次は「増大するデータ量への対応」です。
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